タイトルの通り、6年務めた会社を即日退職しました。今回はその体験談です。
退職代行は使っていません。積立休暇・有給休暇もすべて消化したうえで退職しました。実際に辞めた感想についても、少しだけ書きます。
想定読者は、「さっさと今の会社を辞めたい、かといって退職代行はイヤ」という方です。ニッチだね
はじめに結論
退職代行を使わず即日退職※は可能でした。
※退職を告げた日を最終出社日とし、残りは有給休暇等を消化して退職することを指します。最終出社日=退職日ではありません。
前提として、以下であることをご認識ください。
- 一部上場株式会社の正社員であり、管理職ではありません。部下はいません。
- フルリモートではないが、拠点分散ありです。所属長と拠点が異なっていました。
- 就業規則上では「退職は2週間前に申告」と記載がありました(※民法上も2週間前で退職可能とされています)。
前置き
下記をご理解いただいた上で読んでいただくと理解しやすいと思います。
この記事を読むと分かること
以下がわかります。
- 自力で即日退職するやり方、実際の流れ
- 制度(有給・積立休暇)を使い切る方法
記事を書こうと思った理由
私のように「今すぐ辞めたい!でも退職代行は使いたくない!方法を教えて!」という読者が存在し、需要があると思ったためです。
退職代行を否定する意図はありません
即日退職は退職代行を使えば容易に実現可能です。そっちの方が精神的にも楽ですし、成功する確率も高いと思います。代行業者への報酬がかかりますが、十分な対価があると思っています。
私は退職時の選択肢の一つとして、退職代行を使わなくとも即日退職は可能であることを示したいだけです。
本記事は「一個人の体験談」です
一部上場企業に勤める私が即日退職できた話をします。読者が即日辞められることを保証しません。また、私と同じ辞め方を推奨しているわけではありません。法令等に従ってください。
社会人としての一般的な常識では、時間をかけて引き継ぎを行ってから退職するのがマナーだと思います。
背景
まずは背景について先に述べます。前置きが長くてすみません。不要であれば飛ばしてください。
6年間働いてきた会社・立場の簡単な説明
大学院卒業後、一部上場企業の製造業の会社に入社しました。技術者として働いていました。
研究開発というより事業部(工場現場)に近い部署で、エンジニアとしてお客様の要望に応じて製品へ新たな機能を追加する業務が多かったです。
期間としては6年間働きました。
「辞めたい」が一時的な感情ではなくなったきっかけ
辞めるきっかけは、上司から出向の打診があったことです。
通常の会社であれば、出向や転勤は、内示がいきなり出てそのまま異動、というパターンが多いと思われます。この点では恵まれた環境であったと思います。
私の会社では、エリア限定制度というものがありました。エリア限定制度を利用している場合、勤務地の変更を伴う異動を命じる前に、打診をしなければならないルールになっていました。
しかしこの制度は明らかに形骸化していました。表面上は労働者に配慮した制度ですが、実務上は十分に機能しているとは言い難い状況でした。打診とはいっても、最終的にこちらに出向・転勤を拒否する権限はほぼありませんでした。「異動を希望しない」と上司に告げても、最終的に会社から出向命令が下れば、応じるほかありません。
この出向打診がきっかけとなり、「このまま働いていても先がない」という思いが強まり、辞める決心に至りました。
それまで我慢していたこと/見て見ぬふりをしていたこと
そこそこ忙しい部署で、業務の〆切は実際の業務量によって決まるのではなく、客先の言いなりで設定されていました。この〆切に追われ、本当に優先すべき、かつ自分のやりたい業務ができない状態に陥っていたこと、その状態が改善される見込みが全く見えなかったことが真の辞める理由です。
この状況は出向打診がある前から分かっていたのですが、惰性で働き続けてしまっていました。
また、頑張って納期に間に合わせて機能を完成させたにも関わらず、実際にはお客様に納品されていなかったり、結局使われていなかったり、といったことが頻発していました。
このような出来事により、納期に間に合わせるモチベーションが大きく削られました。
なぜ「もう限界だ」と判断したか
客の言いなりで決めた納期に追われ続け、やるべきだと分かっている改善にも手をつけられない状況が続いた時点で、もう限界であると判断しました。
後になって思えば、精神的にも追い詰められていたのと思います。
なぜ退職代行を使わず自力で辞めたか
退職代行を使うことも検討しましたが、結局使いませんでした。すべて自力で辞めました。
退職代行を使わなかった理由は、主に以下の4つです。
- 最低限でも仕事の引き継ぎをしたかったため
- 自分でけじめをつけたかったため
- 意気地なしと思われたくなかったため
- 退職代行にかかるお金をケチりたかったため
4つ目以外は、私のムダなプライドですね。即日退職する時点でレールからドロップアウトした人間なのだから、そんなプライドは無視して退職代行を使うべきだったのかもしれません。
「即日退職しよう」と決めるまでの週末
ある木曜日の夜8時(残業中)、所属長より社用携帯にて出向の打診の連絡がありました。主に出向する気があるかどうかの確認のみで、出向の意図やどういったキャリア上の利益があるかなどの説明はなく、淡々とした内容でした。「出世する従業員は、皆海外転勤や出張などを経験するもの」という旨の、軽い脅し(?)のような通告はあり、ここで不信感が強まりました。
上司から説明がなかったため、次の日の午前に過去出向経験のある社員に詳細をヒアリングをしました。
打診の回答は、次の日である金曜日の午前中に回答するよう求められました。期限が短すぎますよね。先述の通りエリア限定制度は実務上は機能していないことが、この点でもわかるかと思います。
結局、金曜日の昼一番、出向を希望しない旨を所属長に伝えました。希望しない理由を聞かれたため、当たり障りのないような理由を二、三述べました。
- 出向先が遠い(九州→東北)こと
- 妻が今の居住地で正社員として就職予定であること
- 今の仕事の方がモチベーションが高いこと etc…
※本当の理由は、一言でいうなら「出向に応じるほど現在の会社にコミットする気がない」ためです。給与も変わらないのに、なぜ会社の都合で別会社に強制転職しなければならないのか
その結果、所属長から「出向を断る理由としては弱い」とのお言葉を賜りました。内心かなり腹が立ちましたが、所属長とケンカしても無意味なため抑えました。
その週の土日、改めて妻と相談したり、自分の中で考えをまとめたりして、退職を決断しました。次の月曜、所属長へ退職届を叩きつけ、即日退職しました。
即日退職を切り出した当日の流れ
退職届を出した月曜日は、以下のようなスケジュールで進めました。
| 時刻 | やったこと |
| 9:00~11:30 | 退職届、引き継ぎ書(エクセル1シートにまとまる程度)の作成 |
| 11:30~12:00 | 退職届をメールで送付、ピッチで所属長に退職する旨を告げる |
| 12:00~13:00 | 昼休み。いつも通り弁当を食べた後会社付近を散歩しました🚶 |
| 13:00~20:00 | 引き継ぎ、身辺整理 |
- 自己都合で退職する旨
- 退職日
- 最終出社日
有給休暇の消化日についてはフォーマットになかったため、メール本文に記載しました。
月曜の朝の状況
所属長からは出向の件に関して特に何のフォローもなく、通常の1日が始まりました。私は〆切に追われている現在の業務はすべて放置し、退職届と引き継ぎ書の作成にとりかかりました。
またこの時に有給休暇の残り日数もカウントし、全消化する前提で退職日を決めました。私の場合積み立て休暇という独自の休暇制度も合わせて64日分残っていましたので、約3ヶ月後が退職日となりました。
上司にどう切り出したか(言い回しの方向性)
退職届をメールで送付したのち、社用携帯にて退職する旨と、本日が最終出社日であることを告げました。
対面で伝えていない理由は、先述の通り所属長と勤務拠点が異なるためです。本来ならば対面で退職届を渡すことになるかと思います。
引き止め・質問への対応
所属長は、かなり驚き焦っている様子でした。テキトーに出向の打診をしてきた時点で、辞めるなんて想定は毛頭なかったのでしょう。どうしようもないですね。ザマアミロ
以下のような点を聞かれました。
- なぜ退職するのか
- 引き留めに応じる可能性はないか
- 本日が最終出社日というのは非常識ではないか
これらの質問に正直に答えても、改善されるはずもないので答えませんでした。また、シンプルに所属長と会話をする気にならなかったのも理由の一つです。「一身上の都合で退職します」の一点張りで貫き通しました。
30分ほどで所属長が「会話にならない」と判断したのか、通話は切られ、めでたく退職届は受理されました。🎉
有給・積立休暇をすべて消化できた理由
有給休暇と積立休暇は、なんの問題もなく全取得できました。通告方法は、所属長にメール送付しただけです。その後はグループリーダが代理で申請してくれるみたいです。
全て消化できた理由は、シンプルに「決定事項として書面に残る形で会社に通告できたから」だと思います。
ある程度の規模の会社であれば労働者保護がきちんと機能しています。正当な理由がない限り、会社が有給休暇の取得を拒否することは難しいでしょう。
休暇を取得できないのは、申し訳なさであったり気の弱さからきちんと申請せず泣き寝入りするパターンが大半でしょう。きちんと書面に残る形で申請しましょう。
それでも無理という方は、素直に退職代行業者にお願いしましょう。
即日退職してよかったこと・しんどかったこと
よかった点
後から思うと、退職日時点でかなり精神的にやられていました。退職を決めた後、仮にそのまま出社し続けていたとしても、業務に手がつかなかったと思いますし、メンタルの悪影響も大きかったはず。
なので、即日退職できたのは自分にとって非常に良かったと思います。また、職場からしても仕事しない給料泥棒(私)が居座っていても迷惑であるため、ある意味win-winかと思います。
しんどかった点
所属長に退職届をメールで送りつけ、社用携帯で連絡するタイミングが一番しんどかったです。「これは退職の相談ではない、ただの通告である」と心を鬼にして何とか乗り切りました。正直ここさえ乗り切ってしまえば、あとは流れで何とかなります。
退職届を叩きつける自信がない方は、大人しく退職代行を使いましょう。私のやり方は万人におすすめできる方法ではありません。
それでも後悔はしていない理由
退職代行に頼らず辞められたことで、罪悪感が少しだけ軽減されました。また、自分で退職手続きをすべてクリアできたため、多少の自信につながりました。
これから即日退職を考えている人へ
辞める前に考えたほうがいいこと
まずは自分の気持ちに正直になって、本当に辞めたいか、ただの逃げなのかを判断しましょう。
あとは家族と話し合い、落とし所を見つけるのも重要かと思います。私は妻の理解が得られ、退職する運びとなりました。妻には感謝しかありません。
まあ、令和にもなって一つの会社にこだわる理由も特に存在しないかとは思います。
自力で退職する場合の覚悟ポイント
先述の通り、「自分で退職届を所属長に渡す」ところが関所です。ここは気合いで乗り切りましょう。あとは、ただの事務手続きになります。
読者へのひとこと
私は退職代行で実現可能なことを、少しのお金をケチるために自分でやっただけにすぎません。
代行料の数万円のために、精神的に負担になるような退職作業をやるかどうかは、個人の判断によります。
実際に自力での即日退職をやってみた感想としては、多くの退職希望者は、退職代行を使うメリットの方が大きくなると思いました。退職代行最高!
まとめ
退職という選択を振り返っての総括
色々考えた末、思い切って勇気を出して退職する選択となりました。退職届を出してから数日後にこの記事を書いているため、まだ実感は薄いというのが正直なところです。メンタルはだいぶ改善されたような気がしますが。
この選択が間違ったものにならないよう、これからの行動が大切になってくるかな、と感じています。今は休んで、やる気が戻ったら頑張ろうと思います。
今の自分の状態(簡単に)
今は休む期間だと考えて、自分の心に正直に過ごしています。この記事を書くのもいい気分転換になっています。
同じように悩んでいる人へのエール
辞めたいと思った日に辞めることはできます。私が証明しました。
そして、あなたが職場から突然いなくなっても、数日後には問題なく職場は回っていきます。辞めたいのなら、後のことは気にせず退職しましょう。
Q&A
Q1: 上司への退職届提出だけで会社として受理された?
A1: はい。私→上司→人事+総務のフローで報告されました。後日、人事から私あてに退職手続きのメールが入っていました。上司に退職届を渡せたら勝ちです。
Q2: 次の仕事は決まっていた?
A2: いいえ。そもそも会社勤めが嫌になったため転職活動はしていません。当面は有給消化 →(状況次第で)傷病手当金 → 失業手当 → 貯蓄の切り崩し…と過ごす予定です。そのあとは専業主夫??
Q3: もし拒否されたらどうするつもりだった?
A3: 拒否されても、メールを受信した時点で上司が拒否することは不可能と考えていました。電話口で上司がやんわり拒否するような態度であったため、「こちらからも退職の旨を人事と総務に連絡する」と伝えたら、そこからは割と素直に応じてくれました。
Q4: このやめ方(自力で即日退職)をおすすめしない人は?
A4: 今精神的に辛すぎて1日も出社できない方、上司や同僚と顔も合わせたくない方、上司と対立したくない方はやめておいた方がいいかもしれません。退職代行がおすすめです。