先日、コードをほぼ自分で書かずにWebツールを作り、リリースしました。
開発期間は3日、作業時間は合計10時間ほどです。
Web開発の経験はゼロです。それでも簡単にリリースまで行けました。同じように「何か作ってみたいけど、プログラミングができないから無理だ」と思っている方に向けて、その体験とノウハウを書いておきたいと思います。
作ったもの
「ポケモンスリープ」というゲーム向けの無料Webツールです。
ポケスリを始めたばかりのプレーヤーをターゲットとし、「次にどのポケモンを厳選すればいいか」を優先度順に表示し、ゲームの進行をサポートするツールです。
ツールへのリンクは以下。
👉 https://gensen-assist.vercel.app
リリース初日で100人以上にアクセスしていただきました。ありがたい限りです。
Claude Codeを使って実装
ツールの実装はAnthropicのClaude Codeを使いました。私はほぼコードを触ってません。
コードを書かないだけでなく、指示をタイピングするのもめんどくさく、ほぼ音声入力でAIへ指示出ししていました。
ターミナルで動くAIエージェントに対し、「こういう機能が欲しい」「このデータをこう処理してほしい」「こういう見た目にして」と伝えると、コードを書いてファイルを作り、エラーがあれば自分で修正もしてくれます。自分はほぼ喋るだけです。
ツール開発の進め方
開発環境はこんな感じです。
- PC: MacMini(M4チップ)
- エディタ: VSCode
- Claude Code: VSCode上で使用。拡張機能をインストールして動かしました
- マイク: Shure MV6(音声入力用)
- コード管理: GitHub
開発の大まかな流れはこうでした。
① 仕様の設計
まず作りたいものの全体像をClaude Codeに説明しました。「どんな入力を受け取って、どんな結果を返すか」を言語化するところから始まります。
② データセットの作成
後々、ロジックを組むときに必要になる基本情報を揃えました。ポケモンの食材情報やレシピデータをJSON形式で整理しました。地道な作業ですが、これが土台になります。
ほぼ全て、ポケスリ攻略wiki様のデータを参照させていただきました。ありがとうございます。
③ v0.devでモックを作成
Vercelが提供するAIツール「v0」を使って、画面のモックを先に作りました。決めた仕様をもとに「こういうUIにしたい」とテキストで伝えるだけで、それっぽい画面が出てきました。コードは一切書いていません。
④ v0のソースをローカルにコピー
v0で生成したコードをそのままローカル環境にコピーして、Claude Codeで続きを開発する土台にしました。
⑤ ロジックの作成、モックと接続
Claude Codeに指示しながら、UIとデータ処理ロジックをつなぎ込んでいきました。ロジックとは「食材をチェックしたら優先度順におすすめポケモンを出す」という計算処理の部分です。ここもマイクに向かって喋るだけで実装が進みました。
あとは会話しながら細かい調整を重ねていきます。詰まったことはほぼなくて、伝え方を変えれば大抵は解決しました。
Vercelへのデプロイも「ベストなデプロイのやり方を教えて」と伝えたら手順を案内してくれて、数分で公開URLが発行されました。もともとモックをv0で作ったので、デプロイはマジで秒で完了しました。
コードはGitHubで公開しています。エンジニアの方など中身が気になる場合は見てみてください。
肝になるのは仕様設計
やってみてわかったのは、コーディングのところはAIが全部やってくれるので、そこは難しくないということです。
工夫が必要なのは仕様を決めるところとデータを揃えるところです。
今回で言えば、「食材の枠はAとBとCがあって、Cは量が少ないからMVP(試作段階)では除外する」「鍋容量が足りないレシピは表示しない」といった判断を積み上げていくのが、ツールの設計になります。ゲームをある程度理解していないと出てこない視点です。
データ収集も同様です。ポケモンの食材情報やレシピデータを正確に整理して、AIが使える形に仕込む作業は自分でやるしかありませんでした。今回一番時間がかかったのはここです。
コーディングは難しくない。「何を作るか」と「素材を揃えること」が、個人開発の本当の仕事だと感じています。
ターゲット設定も大事
正直、最初はここまで使ってもらえると思っていませんでした。
振り返ると、理由のひとつはニッチな領域を選んだことだと思っています。
ポケモンスリープはリリースから3年ほど経っているゲームです。上級者向けのコンテンツや攻略情報は充実してきましたが、「始めたばかりの人が何から厳選すればいいか」を教えてくれるツールは、意外と少ない状態でした。
そこに、同じ初心者として「自分が欲しかった」ツールを作って置いた。これが刺さったのだと思います。
ドメイン知識のある人間が、そのドメインの中のニッチな課題を解決するツールを作る。これは、外部のエンジニアやAIだけでは難しい仕事です。「コードは書けないけど、このゲームをよく知っている」こと自体が、ツールの競争力になると気づきました。
まとめ
ツールはまだMVP(開発途中)なので、今後も作り込んでいくつもりです。
これからの時代は、「エンジニアが依頼されてツールを作成」ではなく、「その業界のトップ層、あるいはニッチ層が自分の欲しいツールをAIに作らせ、それを業界に共有する」のが主流になるな、と改めて感じました。
何か作ってみたいものがある方は、ぜひ試してみてください。